
アーリン・リーメスタ
駐日ノルウェー王国大使
今年2015年は、国連が1975年を「国際婦人年」と定めてから40周年にあたり、女性のエンパワメントに向けた国際的取り組みにとって大変重要な年です。
1975年は、第1回世界女性会議が開催された年でもあり、会議の場では女性差別撤廃に関する条約の必要性が訴えられました。その5年後の1980年には、コペンハーゲンで開催された「国連婦人の10年」の世界会議で「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」が提出されました。
今年はまた、1995年の世界女性会議において女性のエンパワメントに関する初の「行動綱領」が採択されてから20周年、さらに、女性・平和・安全保障に関する国連決議1325号が採択されてから15周年にあたります。重要な転換点となったこの決議は、2000年の採択以降、女性・平和・安全保障に関する強固な規範的課題を示してきました。これらはいずれも重要な文書であり、どちらも2015年に、国連の「ミレニアム開発目標」と併せて見直しが行われます。
これまでの40年間、数百万にのぼる女子や女性が教育や医療サービスを受けられるようになり、今や女性はかつてないほど政治に影響を及ぼしています。しかし、ジェンダー平等の実現には、まだ相当の努力が必要です。ジェンダーの不平等はどの社会にも非常に根深く残っています。世界の最貧困層の大多数を占めているのは、今でも女性です。多くの女性は適切な仕事への道をとざされ、性別による給与格差に直面しています。女性や女子は、男性に比べて法的保護や医療サービスを受けられない傾向にあり、身体の安全が脅かされることも、男性より多いのが現状です。そのうえ、政治や経済の重要な意思決定のプロセスに参加できる女性の比率は、まだまだ十分ではありません。
紛争国の女性の状況に対する関心が高まっていますが、それにもかかわらず、女性はいまでも殺害され、重傷を負い、性的虐待を受けています。また、災害による平均余命の低下も、男性より女性の方が大きく、毎年1億人を超える女性や女子が災害に見舞われています。さらに、2月6日の「女性器切除の根絶のための国際デー(FMGゼロトレランスデー)」は、この慣習の根絶に向けた我々の取り組みがこれからもまだ続くことを再認識させてくれました。
「教育は最強の武器である。教育によって世界を変えることができる」というネルソン・マンデラの言葉に反対する人はいませんが、多くの国の女子たちが、まだ平等な教育機会を与えられていません。発展への道に到達するには、知識の創出、情報、技術が必要なのです。女子から教育を奪うことは、社会の発展や成長を阻害するということです。
ジェンダー平等は基本的人権であるというだけではありません。これを達成することによって大きな社会経済的効果が生まれます。女性のエンパワメントは、事実、経済成長や繁栄と密接に結びついています。女性の経済機会が向上したり政治参加のレベルが高まったりすれば、変化を引き起こす触媒としての女性の役割は強まり、女性は社会をよりよい方向へ変えていく力を持つことになるのです。
公益財団法人「ケア・インターナショナル ジャパン」は、チャリティウォーク・キャンペーン「歩く国際協力 Walk in her Shoes」を実施されます。多くの方にチャリティーウォークに参加していただき、貧困にあえぐ世界の女性や女子たちが人権を実現し、持てる可能性を最大限に発揮できるよう、皆さまの支援の気持ちを表してください。また、女性や女子たちが自分自身の未来を築くためだけでなく、家族や地域社会全体が貧困から抜け出し、よりよい暮らしを送れるようにするためにも、キャンペーンへのご協力をいただければ幸いです。