寄付で支援する はじめての方へ
Facebook
Twitter
Instagram

ウクライナへの軍事侵攻から1年:女性たちは互いに支え合い立ち上がりつつあるも、支援を必要としています

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が2年目に入り、国際社会は女性と女子を含む影響を受けた最も弱い立場におかれた人々を支援する意志を新たにしなければなりませんと、CAREは訴えます。

「この危機には強いジェンダーの力学が働いています。ウクライナ国内および周辺国に避難している人々の大半は女性が占めていますが、対応の一環として互いに支え合うために立ち上がっています」と、CAREインターナショナル事務局長のソフィア・シュプレヒマン・シネイロはいいます。

難民の9割ちかくを占める女性と女子

ウクライナ国内の避難民540万人のうち、女性は59%を占めています。ポーランド、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、ドイツなどに避難している800万人のうち86%が女性と子どもという驚異的な数字になっています。 過去1年間、ウクライナの女性や女子たちの間でジェンダーに基づく暴力が増加し、レイプ事件が260%増加したと報告されています。

「スーツケース1つにどうやって自分の人生すべてを詰め込めばいいのかわかりませんでした」と、8歳の息子ティモフィと義理の両親を避難させるのに、たった1時間しかなかったナタリアさんは振り返ります。現在、ナタリアさんは息子と夫の病気の両親の世話をし、CAREのパートナーNGOである「女性の視点」が運営するリヴィウのシェルターで小さな部屋を共有しています。ティモフィはオンラインで授業を受けていますが、彼の一番の夢は「ただ友だちと一緒に学校に行く」ことなのです。

難民の9割ちかくを占める女性と女子

ウクライナとその周辺国では、1年前に女性の権利と女性が主導する組織が直ちに活動を開始し、紛争の影響を不当に受け、特にジェンダーに基づく暴力に弱いウクライナの女性と女子に救命サービスを提供しています。 多くの組織は、避難民のコミュニティから、翻訳者、教師、心理学者などとして支援するボランティアの活動によって支えられています。

ポーランドにおけるパートナー団体「Federation for Women and Family Planning(以下、FEDERA)」のクリスティナ・カプラ会長は、「1年前、私たちは迅速に行動しなければならないことを知りました。難民の女性や女子に対する性と生殖に関する健康サービスのニーズに応えるため、ウクライナ語を話す人を探さなければなりませんでした」といいます。 現在、FEDERAのホットラインにかかってくる電話の3件に1件は、婦人科医を必要としているウクライナからの難民からのものといいます。

実際、多くのウクライナ難民の女性が、このような団体でボランティアとして働いています。リュドミラさんは38歳、自身も紛争で家を失いましたが、200人の病人の訪問看護をしています。「多くは高齢で一人身。1週間も食べていない90歳の女性を訪ねたこともあります」と彼女はいいます。

需要が高まる心のケア

地元の市民社会組織や難民コミュニティにおいてこのような連帯が広がっているにもかかわらず、非常に大きな悪影響が生じています。例えば、ウクライナのチェルカシュにあるCAREが資金提供を行っている安全な地帯では、心のケアへの需要が急増し、女性は予約のためにほぼ1か月待たなければならなくなりました。 安全な場所で働く心理学者のインナ・カニヴェッツさんは、「隠れる場所がないこと、常に緊張していること、自分自身や家族、父親、兄弟、前線の親戚のことが心配で、大きな不安を引き起こしています」といいます。

「1年経った今、ウクライナとその周辺国の両方で、勇敢な女性たちと彼女たちとともに活動する組織への支援を維持することが、これまで以上に重要です」とソフィア・シュプレヒマン-シネロCARE事務総長はいいます。「私たちはマラソンをしているのです。そして、マラソンで最も困難なのは、最初の数分でも、最後の数分でもなく、その途中なのです」

苦しい状況におかれているのは、ウクライナ人だけではありません。今年の「Global Humanitarian Overview」は、前例のない2億3千万人を対象とし、そのために515億ドルの資金調達を目指しています。そしてこれは、トルコやシリア北西部で甚大な地震が発生する前のことです。どんなに困難な課題に見えても、国際社会は人類を第一に考え、あらゆる場所で、区別なく人道支援を行わなければなりません。そのためには、ジェンダー平等、女性と女子のエンパワメントと保護、そしてそれらを支援する組織への資金提供を中心にすえることが重要です。

需要が高まる心のケア

この1年の活動実績

2022年2月から2023年1月にかけて、CAREとパートナーは、ウクライナ、ポーランド、ルーマニア、グルジア、ドイツの各地で危機の影響を受けた98万9700人以上に、保護と心のケアの支援、現金支援、食糧、水、衛生・保健支援、保健サービス、宿泊支援、ジェンダーに基づく暴力からの保護、教育などを提供しています。CAREは、56のパートナー団体と協力しています。
この1年の活動実績



ご寄付のお願い

ご支援方法についてのご案内

 クレジットカードでのご寄付の場合:
こちらからお申し込みください。
各種クレジットカードをご利用いただけます。

郵便局からのご寄付の場合:
<口座番号> 00150-4-49006
<加入者名> 公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
※郵便局窓口にて、振込手数料が無料の口座である旨お申し出ください。
※お振込いただく際は、振込み用紙の通信欄に必ず「ウクライナ(W)」と明記してください。記載がない場合は一般寄付としてお取り扱いいたします。

寄付金については「寄附金控除」の対象となります。
個人および法人の皆さまからのご寄付は、確定申告の際に、寄付金控除の対象となります。なお、個人の皆さまへの領収書は、ご希望いただいた方にのみ発行させていただきます。必ず通信欄にその旨明記していただくようお願い申し上げます。

【領収書発行を希望する皆様へ】
寄付金控除のお手続きには領収書が必要となります。領収書の発行については以下をご覧下さい。
オンライン寄付の場合:「領収書の送付」の項目にチェックを入れて下さい。
郵便局からのご寄付の場合:振込用紙の通信欄に「領収書要」と明記して下さい。

*当財団は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現在、すべての職員に在宅勤務を奨励しています。そのため、領収書の発送にお時間を要する場合がございますので、予め、ご了承をお願いいたします。


関連情報

ウクライナに現地事務所を開設しました(10月11日)
ウクライナ侵攻から半年、懸念されるメンタルヘルスへの深刻な影響(8月24日)
ウクライナ人道危機対応の進捗レポート(6月28日)
「ウクライナ危機緊急支援」オンライン報告会を開催しました(6月23日)
「ウクライナ危機緊急支援募金」の経過報告(6月13日)
最前線からの声をお届けします ~子どもたちのライフラインとなる教育(6月7日)
緊急ジェンダーレポート公表 ~戦争による女性とマイノリティへの影響が明らかに(5月11日)
国内に留まり活動を続けるボランティアを支援しています(5月9日)
【こどもの日】ウクライナの子どもたちの瞳に映る、戦争をご紹介します(5月5日)
国内に留まる5万人に対して緊急支援を提供しました(4月27日)
スロベニア赤十字と6台のトラックで水や食糧などを届けました(4月25日)
精神科医に緊急心理社会的カウンセリング研修を実施しています(4月21日)
ウクライナ人道危機:お礼と今後の支援について(4月12日)
必要な物資は日を追うごとに変わっていきます(4月4日)
ウクライナ国内で支援を行う職員からの最新報告(3月29日)
ポーランド国境の最前線で情報収集にあたるCARE職員の1日(3月19日)
【緊急ジェンダーレポート】ジェンダー特有のリスクへの対応の必要性を訴えています(3月17日)
【動画】ルーマニア国境での支援活動をレポートします(3月16日)
ルーマニア、モルドバ、ポーランド国境での支援を開始しました(3月14日)
国際女性デーに寄せて ~ウクライナで高まる女性たちへのリスク(3月8日)
緊急支援物資が、ウクライナ西部の都市リヴィウに到着しました(3月1日)
紛争・自然災害への対応
グローバル緊急ジェンダー分析報告書
 財政不安、飢餓、心の健康 –CAREの独自調査により世界の女性が抱える問題が明らかに


本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン
〒171-0031 東京都豊島区目白2-2-1 目白カルチャービル5階
Tel: 03-5950-1335 Fax: 03-5950-1375
Email: info@careintjp.org
ニュース一覧に戻る

最新のニュース

  • 東京レガシーハーフマラソン2024 チャリティに参加します!

    東京レガシーハーフマラソン2024 チャリティに参加します

  • ガザ:戦闘開始から半年、高齢者と子どもたちは病と飢えに苦しみ、死と隣り合わせに

    ガザ:戦闘開始から半年、高齢者と子どもたちは病と飢えに苦しみ、死と隣り合わせに

  • 事業部 東ティモール駐在事業統括者を募集します

    【急募】事業部 東ティモール駐在事業統括者を募集します

  • 4月、株式会社クニエ様のクリック募金「One Click for Smile」にご参加ください

    4月、株式会社クニエ様のクリック募金「One Click for Smile」にご参加ください

  • ガザ情勢:CAREを含む国際NGOは、国連加盟国に国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開を要請しています

    ガザ情勢:CAREを含む国際NGOは、国連加盟国に国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の再開を要請します

あなたのチカラで
女性と女子を支える

最も弱い立場におかれた女性と女子に支援を
届けるために、あなたのサポートが必要です。
月1,000円からのサポーターになりませんか?

寄付について詳しく知る

©︎Juozas Cernius/CARE